新型コロナウイルスで混乱する札幌。これから先、来院患者数減少に悩む内科診療所が生き残るための「キモ」は何でしょう…?
「増患・集患コンサルタント」の視点から、私が考えている「内科診療所の一つの生き残り方」を書きます。商売が生存し続けるためには、当然利益が必要です。診療所の存続に必要な経費や自分たちの生活費、スタッフの人件費を賄えるだけの「生存利益」を確保することが必須です。
◎小規模内科診療所の「一番の急所」
院長の一番の弱みは「診療で差がつけられない」ということです。「めちゃめちゃ競争に巻き込まれてるのに、診療で差をつけられない」というのが、内科開業医の一番の弱点です。患者さん側からしたら、選ぶ理由がない。そうなると、診療以外で違いを作らなければならない。さて何で違いを作ろうか…?
◎「独自化」した診療所だけが選ばれる
「違いを作る」というと、多くの方が思い浮かべるのが「差別化」という言葉。商売をしていれば必ず、「差別化」が大事だって言われます。ここで差別化についても考えてみましょう。差別化とは、「ライバルとは違うところを作る」ということです。
差別化は、自院とライバルを比べて、どちらが優れているかって考え方です。
違いを作るなら、患者さんが喜ぶ違いじゃなきゃいけない。つまり顧客視点を外してはけないということ。
◎小さな診療所は比較検討されたら分が悪い!
必要なのは、比較検討すらされない「圧倒的な違い」なんです。実は私自身、「増患・増収支援」に取り組む中で、違いを作り出すのに一番苦労しています。クライアントさんは、人手もお金も、圧倒的に弱いので…。設備もないし、スキルもない。小規模診療所で、選ばれる理由を作るにはどうしたら良いか…。
比較検討されるまでもなく、我々でしか提供できない価値をどう作るか。ずっと悩み続けていましたが、一つだけありました。
◎どんな診療所でも必ず作れる、圧倒的な違いのポイント。
それは「関係性」。患者さんとの関係性を強く強く強くして、患者さんにとって“替えのきかない存在になる”ことです。
そうすれば、患者さんは比較検討しません。だって「その人」は他院にはいないから。大手にもマネできません。
面倒くさいからです。関係性を強くするのって、手間暇かかるんですよ。そんな面倒くさいこと、大手はできません。
大手が攻めたくても攻められない、というか攻める気にならないニッチなところで勝負するんです。
それが関係性マーケティングです。(実際に私が知る限りできている診療所は1割以下)
◎小規模診療所は効率性を極めるな…!
小規模診療所が患者さん向けに書いている手紙やチラシの数々…
患者さんとの関係性を強くするのは、結構面倒くさいです。良い関係は一朝一夕にはできませんから…。
手数が勝負です。特に新しい患者さんとの関係作りは…。関係性は時間とともに薄くなります。遠距離恋愛と同じです。
どんなに燃え上がるような恋をした二人でも…。悲しいかな、時の流れは残酷です。ましてや院長と患者さんは、あくまでも商売の関係。ほっといたら、すぐに心の距離が離れます。だから出来るだけ短期間に、高頻度の接触を実現しないといけません。
それだけじゃありません。良い関係を作るには、相互理解が大事。こちらが一方的に患者さんのことを知っているだけでは不十分です。患者さんのことは一生懸命知ろうとするけど、患者さんに知ってもらう努力はしないんです。
「私はあの人のことはよく知らないけど、あの人は私のことをよく知ってるの…」って人と、仲良くなれますか…?
一方的な関係って、良い関係とは言わないでしょう…?
だから「自院が大事にしている価値観」や「健康になるために患者さんに信じていてほしいこと」、「スタッフの人柄」などを患者さんに理解してもらう必要があります。そうすることで相互理解が深まり、良い関係を作ることが出来きます。
◎ヒトに価値を感じる患者さんは必ずいる…!
相互理解を深める「コミュニケーション」を、短期間で高頻度に行えば、関係性は強くなります。もちろんそれを嫌う患者さんもいますが、そういう患者さんは、ほっとけばいいんです。
院長は「サクッと診て治してくれよ…!」という患者さんではなく、
「あなたなら私のことを分かってくれそう!」
「あなただから相談したい…!」って言ってくれる患者さんを
ターゲットにすべきです。そして、そういう「ヒト」や「関係性」に価値を感じる患者さんは、一定数存在しています。
「熱心に聞いてくれてうれしい」「良く聞いてくれてうれしい」という声がたくさん寄せられるのがその証拠。
患者さんとの相互理解が深まれば、患者さんにとって替えのきかない「一番身近で頼れる専門家」のポジションを手に入れられます。これほど強い「違い」は無いです。とはいえ、小規模診療所はあまり人手や労力をかけるわけにもいきません。
面倒なのもできれば避けたい。だから「仕組み化」します。
続きは、次の機会に・・・